2023年のIPO社数やその傾向をまとめました。2023年新規上場社数は?2023年の国内IPO企業数は96社でした。下図の通り2022年の91社から微増となりました。リーマンショック後で最多であった2021年の125社に次ぐIPO企業数であり、長期トレンドで見ても4年連続で100社前後となり国内IPO市場は引き続き堅調ムードとなりました。また、グロースへのIPO企業数は66社(69%)と引き続き高い水準で推移しています。IPO企業数の推移市場別のIPO企業数市場別のIPO企業数は、下図のとおりでした。2023年のIPO企業数はプライム2社、スタンダード23社、グロース66社となりました。なお、TOKYO PRO Marketは32社上場となり、前年の21社から11社増加となりました。2023年の傾向は?業種別情報通信業・サービス業が大半を占める結果となりました。2業種合計では66社と全体の69%(前年同期は68%)となりました。2023年に上場した企業の業種別内訳(TOKYO PRO Marketを除く)は下図の通りです。代表的な情報通信業では、VTuberプロダクションである「ホロライブプロダクション」を運営するカバー㈱、代表的なサービス業では、医療機関支援等の事業を展開する㈱シーユーシー、医療福祉業界への人材サービスとデジタルソリューション事業を展開する㈱トライトが挙げられます。これらはいずれも初値時価総額で1,000億円を超えるIPOとなりました。また、銀行業である住信SBIネット銀行㈱、楽天銀行㈱が立て続けにIPOしていること、東京以外に本社を持つ機械業の企業が4社IPOしていることも特徴的でした。発行総額2023年の特徴は、発行総額が上昇傾向にあることです。発行総額100億円以上のIPO企業数は13社であり、2021年の18社には及ばないものの、2022年の3社より大きく増加となった。発行総額別のIPO企業数は、下図の通りです。グローバルオファリング2023年はグローバル・オファリングが増加しました。海外での募集・売出しを実施したIPOは、グローバル・オファリング7社、臨時報告書方式26社(前年はグローバル・オファリング3社、臨時報告書方式15社)でした。グローバル・オファリングを実施した7社のうち4社(住信SBIネット銀行㈱、楽天銀行㈱、㈱トライト、㈱KOKUSAI ELECTRIC)が発行総額1,000億円以上の大型IPOでした。臨時報告書方式は、26社全てが発行総額200億円未満と、中型のIPOにおいて株式の一部を海外投資家へ販売する方法が中心となりました。IPOのタイミング近年は、申請してから上場するまでが長い企業が多いですが、2023年も同様の傾向でした。2021年~2023年の上場申請期の期初からIPOするまでの月数別の企業数は下図の通りです。ただし、申請期の翌年度に上場する「期越え上場」は下図の通り減少傾向となっています。時価総額2023年の初値時価総額500億円以上のIPOは12社(12%)でした。100億円以上は全体の57%となりました。初値の時価総額レンジ別のIPO企業数は下図のとおりです。なお、初値時価総額1,000億円を超えるIPOは、カバー㈱、住信SBIネット銀行㈱、楽天銀行㈱、㈱シーユーシー、㈱トライト、㈱KOKUSAI ELECTRICの6社でした。2022年はANYCOLOR㈱、㈱ソシオネクスト、大栄環境㈱の3社でした。赤字上場2023年において、上場直前期に当期純損失を計上する赤字上場は21社(22%)、申請期の業績予想が当期純損失である赤字予想の上場は9社(9%)でした。過去5年間の比較では下図の通り平均的な水準となっています。まとめいかがでしたでしょうか。本記事では、2023年IPO市場の動向を説明しました。上場準備においてもトレンドは重要な判断材料となりますので、ご参考になれば嬉しく思います。IPOに関する具体的な相談するには、プロの専門家に聞くのが一番です。フラッシュパートナーズでは多くの経験豊富な公認会計士が無料相談を実施しております。無料相談では、2023年IPO市場の動向に関する資料を期間限定で配布しておりますので、お気軽にお問い合わせください!